リウマチ科とは
手足の指や関節は日常的によく動かす場所のため、疲労が溜まると痛みやしびれが出ることがあります。このような痛みやしびれは、症状が現れて間もなくして消えることがありますが、いつまでも続くこともあり、後者の場合ではリウマチも視野に入れて治療を受ける必要があります。
こちらの記事では、リウマチ科の診療内容と対応可能な症状や病気、リウマチ科の受診がおすすめの人についてご紹介しています。

リウマチ科の診療内容
リウマチは関節に炎症が起こることで痛みや腫れが出る病気です。また、リウマチは免疫異常が原因とされ、放置していると関節が変形するリスクが高まるといわれています。
リウマチの恐ろしいところは、一度発症すると体を動かさなくても激しい痛みが出るという点にあり、悪化すると関節が変形し、そのまま動かなくなってしまうこともあるのです。
しかし、体の異変に気付いた時点でリウマチ科を受診すれば、症状の悪化を防ぐことは可能です。
それでは早速、リウマチ科の診療内容からご紹介していきましょう。
各種検査
リウマチは、症状が悪化すると関節に変形が見られることがありますが、その前段階として現れやすいのは、朝起きたときの手足のこわばりや、左右対称に起こる関節の痛み、微熱や倦怠感などです。
しかし、これらの症状だけではリウマチという診断は行えず、より正確性が高い診断を行うためには、以下のいずれかの検査を行う必要があります。
レントゲン検査
レントゲン検査は、X線と呼ばれる電磁波を用いて画像を撮影する検査で、リウマチに関しては骨の破壊や関節の変形の有無、骨の厚みを調べることができます。
ただし、レントゲン検査でははっきりとした変形のみ確認することが可能で、初期段階のリウマチで、変形がほとんど見られない場合では診断が難しいです。
この場合では、以下でご紹介するいずれかの検査での対応になる可能性があります。
CTスキャン
CTスキャンでは関節に起こっている異常を確認できますが、レントゲン検査と同様に、初期段階のリウマチでは診断が難しい場合があります。
なお、リウマチにおけるCTスキャンでは、リウマチの合併症として発症することがある間質性肺炎や呼吸器合併症の有無を調べることができます。
MRI
MRIでは、より精度が高い検査を行うことができ、骨だけでなく、筋肉や靭帯の異常や関節、軟骨の異常まで調べることができます。
MRIでは初期段階のリウマチの発見が可能ですので、リウマチかどうかの判断が難しい場合では、レントゲン検査やCTスキャンではなく、MRIによる検査になる可能性があります。
関節超音波検査
関節超音波検査とは、レントゲンやCTスキャンのように放射線を用いて検査をする方法ではなく、超音波の反射を利用して画像を生成します。
そのため、レントゲン検査やCTスキャンのような被爆のリスクがないというメリットがあるのです。
なお、関節超音波検査では関節滑膜炎や早期の骨破壊の有無を調べることができます。
早期の骨破壊はレントゲンでは確認できないことが多く、そのためいつの間にか症状が進行してしまっていることがありますが、関節超音波検査なら初期段階の骨破壊を発見できますので、早期の治療開始が可能です。
血液検査
リウマチの血液検査では、リウマチ体質か否か、リウマチ発症の有無、炎症の有無などを調べることができます。
なお、血液検査では陽性または陰性でリウマチの有無を調べることができますが、陽性であっても必ずしもリウマチを発症しているとは限りません。
リウマチでなかった場合では、変形性関節症や膠原病も視野に入れて再検査が行われることがあります。
尿検査
リウマチの尿検査では、合併症の有無を調べることができます。
なお、尿たんぱくが認められた場合では腎臓に障害が起こっている可能性があり、この場合では腎臓内科を受診し、検査や治療を受けることになります。
関節リウマチ診療
リウマチで最も現れやすい症状は、関節の痛みとこわばりです。
しかし、これらの症状が見られたからといって、それがリウマチによるものかどうかは判断できませんの。疑わしい場合には上記でご紹介したいずれかの検査を受けて、リウマチか否かの診断を受けておきましょう。
膠原病診療
膠原病とは、関節リウマチを含む複数の病気の総称で、初期段階では関節の痛みやこわばりといった症状が出やすいとされています。
また、その他の膠原病の場合では心臓や消化器系の症状が出ることがあり、検査で病気の種類を特定し、治療を開始します。
結晶性関節炎診療
結晶性関節炎は痛風と呼ばれ、関節に強い痛みを伴う炎症が起こります。
結晶性関節炎は生活習慣によって発症しやすいと考えられていますので、検査結果で結晶性関節炎と診断された場合では、抗炎症薬の服用や外用薬の塗布、生活習慣改善指導などで改善を目指します。
リウマチ科での治療が可能な症状・病気
リウマチ科では、リウマチの疑いがある症状全般に対応しています。
また、リウマチだけでなく合併症の疑いがあるときには、症状に応じた科を受診し、適切な治療を受けることになります。
それでは、リウマチ科での治療が可能な症状・病気をご紹介していきましょう。
関節リウマチ・関節外症状
関節リウマチを発症すると、関節に炎症が起こり、骨や軟骨が破壊されていきます。
そしてその結果、関節は機能をって動かせなくなり、やがて変形してしまうのです。
なお、初期段階の関節リウマチでは、関節の痛み、こわばり、倦怠感、微熱などの症状が左右対称に現れやすくなります。
また、リウマチの中で症状が現れやすいのは関節リウマチですが、関節外症状としてあらわれることがあるのは、肺の病気や感染症、心疾患、眼病、皮膚疾患を発症することもあります。
膠原病
膠原病には、リウマチに伴う疾患、自己免疫疾患、結合組織疾患があり、それぞれにリウマチ科で治療を受けることができます。
血管炎
血管炎とは血管が炎症を起こす病気で、詳しい原因は不明とされています。
しかし、免疫系の細胞が健康な血管を攻撃することが発症原因と考えられていることから、リウマチ科で治療を受けることができます。
痛風・偽痛風
痛風については結晶性関節炎として上記でもご紹介しましたが、この病気は暴飲暴食やアルコールの過剰摂取、肥満、激しい運動などによって尿酸の血中濃度が高くなることで発症します。
また、痛風とよく似た症状が現れる偽痛風という病気もありますが、いずれの場合でもリウマチ科で治療を受けることで改善を目指せます。
リウマチ科の受診がおすすめの人
初期段階のリウマチでは特徴的な症状が現れますので、おかしいと感じたらリウマチ科を受診し、リウマチ発症の有無を確認しておきましょう。
特に以下の症状が現れている方には、リウマチ科の受診がおすすめです。
- 関節が痛い、こわばりが気になる
- 全身のこわばりや倦怠感、微熱が続いている
- 足の親指の付け根や足首、足の甲に強い痛みがある
- 肥満による関節痛がある
これらの症状に心当たりがある方は、なるべく早めにリウマチ科を受診しておきましょう。
万が一関節リウマチを発症していた場合には、やがて関節が変形してしまうリスクがありますので、そうなる前に治療を開始しておくことが何よりも大切です。
また、痛風の疑いがある場合では、食事療法などで改善を目指す必要がありますので、リウマチと同様に、できる限り早急にリウマチ科を受診して改善を目指しましょう。