リハビリテーション科

リハビリテーション科

病気や怪我の治療が終了するとホッとします。しかし、病気や怪我の回復状況によっては、ひとまず完治が告げられたとしても、油断できない可能性があるのです。というのは、外見上は完治したように見える病気や怪我でも、しばらく経ってから後遺症ともいえる症状が現れることがあるからです。
そして、そのようなときに役立つのが整形外科のリハビリテーション科なのです。
こちらの記事では、リハビリテーション科の診療内容と対応可能な症状や病気、リハビリテーション科の受診がおすすめの人についてご紹介しています。

リハビリテーション科の診療内容

リハビリテーション(通称:リハビリ)とは、先天性疾患による脳や身体の機能低下の改善や、病気や怪我、加齢による能力低下や機能低下の改善を目指すための科です。
たとえば、交通事故で大けがをして、数か月間の入院を余儀なくされたとしましょう。
この場合では、長期間の入院生活によって筋力が低下したり、関節の可動域が狭まったりすることがあります。
このようなトラブルは、生活に支障をきたすトラブルとは結びつけにくいと思えるかもしれません。
しかし、筋力の低下や関節の可動域が狭くなると、歩行がぎこちなくなる、足を上手く上げられなくなるなどの原因になり、事故につながるリスクを広げることになるのです。
そして、このような状態を防ぐための科が、リハビリテーション科だということです。
それでは、リハビリテーション科の診療内容をご紹介していきましょう。

理学療法

理学療法とは、物理的な手段を用いて能力や機能の回復を図る方法で、運動や温熱、電気、水、光線などを用いて行われます。
また、理学療法の対象となる疾患は脊髄の損傷や脳や脳の血管の疾患といった中枢神経疾患や脊髄の骨折や腰椎椎間板ヘルニアなど、運動器の障害、ぜんそくなどの呼吸器疾患、心筋梗塞などの心疾患など、多岐に渡ります。
さらに、糖尿病やメタボリックシンドローム、術後の体力低下など、運動療法指導対象者も理学療法によって改善を目指すことになります。

作業療法

作業療法とは、食べる、身支度を整える、服を着替える、お風呂に入る、トイレに行くなど、日常的な動作の訓練を行う治療方法です。
また、簡単な筋肉運動や上半身を使った細かい作業の練習、認知機能の改善なども作業療法で行います。
作業療法では、脳梗塞などの脳血管疾患骨折や脊椎損傷などの整形疾患、肺炎などの呼吸器疾患のほか、自閉症や発達障害、先天性異常による身体機能障害がある方も治療の対象者となります。

言語聴覚療法

言語聴覚療法とは、発声や発音など、言語に関する問題や聴覚の障害、認知機能の障害
に対し、機能の回復を図るための治療方法です。
たとえば、脳梗塞で一命を取り留めたものの言語に後遺症があるなどの方は、言語聴覚療法改善を目指すことになります。
また、交通事故などによる脳血管障害や運動機能障害、加齢などによる記憶障害や認知機能障害、摂食障害などがある方も、この治療の対象者となります。

装具療法

装具療法とは、装具を用いて行う治療方法で、四肢の切断後の麻痺及び後遺症、骨折や関節の変形などによる歩行困難などが起こっている方が治療の対象者となります。
つまり、装具で身体機能の補足や矯正をしたり、痛みの軽減をしたりするための治療だということです。
なお、装具には下肢装具や車椅子などがあります。

リハビリテーション科での治療が可能な症状・病気

リハビリテーション科での治療が可能な症状や病気には、先天性疾患、脳梗塞や交通事故による後遺症などがあります。
それでは、リハビリ―ション科受診の対象となる症状や疾患について、もう少し詳しく見ていきましょう。

小児疾患

小児疾患には、ダウン症、脳性麻痺、二分脊椎などの先天性異常症候群、脳性麻痺や二分脊椎などの麻痺性疾患、筋ジストロフィーなどの神経性疾患があります。
また、自閉症や学習障害なども小児疾患に分類され、これらの疾患もリハビリテーション科受診の対象となります。

脳血管障害

脳血管障害とは、脳の血管に起こった障害が引き起こす病気の総称で、脳梗塞や脳内出血、クモ膜下出血がその代表として挙げられます。
脳血管障害では、意識障害や片側麻痺、呂律が回らない、言葉が出てこない、めまいや激しい頭痛、嘔吐などの症状が現れることがあり、症状が治まったとしても何らかの後遺症が残りやすいといわれています。

認知症などの神経疾患

認知症は、アルツハイマー型や血管性など数種類に分類されていますが、いずれの場合でも発症原因は明らかにされていません。
しかし、加齢によって脳が老化すると、脳内に特殊なたんぱく質が生成されて蓄積し、それが脳細胞にダメージを与えて発症するということはわかっています。
そのため、認知症は高齢者が発症しやすい病気だといわれているのです。
リハビリテーション科では、上記でご紹介した治療方法を複数組み合わせて認知症の治療を行います。

骨折

骨折の治療方法には保存療法と手術療法があり、保存療法では骨を正しい位置に戻して固定するのに対し、手術療法ではネジやボルトなどで患部を固定するという違いがあります。
いずれの場合で、患部を固定している期間中に筋力が衰えて機能が低下しますので、固定が外れた後にはリハビリテーションで回復を促す必要があります。
なお、ネジやボルトで固定した場合では、それらを体内に残す場合と、後日手術で取り出す場合があり、後者では長期間のリハビリテーションが必要になる可能性があります。

変形性関節疾患など

変形性関節疾患には変形性膝関節症やリウマチがあり、症状に応じて物理療法や運動療法などで改善を目指します。
このうち変形性膝関節症の場合では、物理療法や運動療法と同時にヒアルロン酸注射で痛み緩和の処置を行うことがあります。
また、変形性膝関節症は加齢だけでなく、肥満が原因で発症することもあり、この場合では運動療法と食事療法の組み合わせで改善を目指すこともあります。

リハビリテーション科の受診がおすすめの人

リハビリテーション科は、先天性障害や病気、事故などによる能力や機能の低下を改善するための科で、以下に該当する方が受診の対象となります。

  • 先天性疾患があり、四肢の運動が不自由な人
  • 関節が痛い、可動域が狭くなったと感じる人
  • 脳血管障害後に後遺症が残ってしまった人
  • 認知症の進行スピードを遅らせたい人
  • 骨折や脱臼で筋力量の減少や機能の低下が起こっている人
  • 骨粗しょう症などによる転倒事故を予防したい人
  • 変形性膝関節症で歩行が困難な人

これらに該当する場合には、できるだけ早急にリハビリテーション科に相談すると良いでしょう。
それは、気になる症状を放置していると、症状が悪化したり別の症状が現れたりするリスクが高まるからです。
なお、骨折や脱臼などで入院した場合では、入院期間中にリハビリテーションを行いますが、退院後も引き続きリハビリテーションが必要になることがありますので、医師の指示に従ってリハビリテーションを続けることが大切です。
リハビリテーション科は、能力や機能を回復させたり向上させたりするための科ですので、気になる症状でお困りなら、まずはリハビリテーション科の専門医に相談してみてはいかがでしょうか。

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