骨粗鬆症

骨粗鬆症とは

年齢を重ねると、若い頃では考えられなかったような病気を発症することがあり、骨粗鬆症もそのうちのひとつです。骨粗鬆症を発症すると、それに伴いさまざま痛みに悩まされることがありますので、発症の疑いがあるなら、できる限り早めに整形外科を受診し、治療を開始することが望ましいでしょう。
こちらの記事では、骨粗鬆症外来の診療内容や治療が可能な症状や病気、骨粗鬆症外来の受診がおすすめの人をご紹介しています。

骨粗鬆症外来の診療内容

骨粗鬆症は、年齢を重ねれば誰でも発症する可能性がある病気で、発症すると体のいたるところに痛みが出る、歩行困難になる、ちょっとしたことで骨折するなどのトラブルが起こりやすくなります。
ところが、骨粗鬆症は表面から確認することができないため、何らかのトラブルが起こって初めて気が付くというパターンが多いのです。
また、骨粗鬆症は加齢で発症しやすい病気ではありますが、過度なダイエットなどでカルシウムやビタミンDなど、骨を構成する成分の摂取量が不足して発症することもあります。
それでは、骨粗鬆症外来の診療内容からご紹介していきましょう。

骨密度検査

骨密度検査とは、骨に含まれるカルシウムなどの成分量を測定する検査で、レントゲン検査や超音波検査を用いて行われることが多いです。
骨密度は健康状態良好な若い年代の方の平均値を100%としたときに80%以上が理想、それ以下になると骨密度が低いと診断されます。
さらに、70%以下では骨粗鬆症と診断され、この状態ではいわゆる”骨がスカスカ”の状態になっているため、そうでない方よりも骨折のリスクが高くなります。
つまり、骨密度検査で思わしくない結果が出た場合では、速やかに骨粗鬆症の改善治療を開始する必要があるということです。

血液検査

骨粗鬆症の血液検査では、骨を形成する細胞の活動状況や、骨を溶かす細胞の活動状況を調べる検査で、前者は骨形成マーカー、後者は骨吸収マーカーと呼ばれています。
そしてもうひとつ、骨質を調べる検査は骨質マーカーと呼ばれ、この検査では骨の強度を調べることができます。
なお、これら3種類は骨代謝マーカーと呼ばれ、骨形成マーカーの数値が低ければ骨の形成が不十分な状態、骨吸収マーカーの数値が高ければ骨が溶けるスピードが速い状態を示しています。
つまり、これらの状態に当てはまる場合では骨粗鬆症という診断を受ける可能性が高いということです。
また、血液検査では骨の形成に必要なビタミンD欠乏の有無についても調べることができます。

脊椎レントゲン検査

骨粗鬆症を発症すると骨折しやすくなりますが、とりわけ脊椎は骨折しやすい場所とされているため、まずは脊椎レントゲン検査で骨折の有無を調べます。
なお、骨粗鬆症による骨折は脊椎だけでなく、体のあらゆる場所で起こる可能性があります。
骨折しやすい場所については以下でもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

薬物療法

骨粗鬆症の改善には、骨の破壊を防ぐ薬や骨を形成する薬、骨量の減少を防ぐ成分配合の薬の服用が有効です。
なお、医師の判断によっては注射での対応となることもあります。
また、骨粗鬆症の改善に対応できる市販薬も販売されていますが、処方された内服薬を服用中の間は、市販薬の服用は中止しましょう。
サプリメントを摂りたい場合には、ひとまず医師に相談してから摂取するよう注意してくださいね。

運動療法

骨粗鬆症の治療では、運動療法を取り入れることがあります。
それは、運動で骨に適度な負荷をかけると骨密度が高くなり、骨粗鬆症の予防や改善に役立つことがわかっているからです。
また、運動で筋肉量が増えたり筋力が強化されたりすれば転倒のリスクが減り、骨折しにくくなるというメリットも得られます。
骨粗鬆症の運動療法では、ウォーキングやジョギング、軽い筋トレ、水泳などが良いとされていますが、実践する際には医師の指導の下で行うようにしてください。
運動に慣れていない方が自己流で運動をすると事故につながるリスクがありますので、十分に注意しましょう。

食事療法

骨粗鬆症では内服薬を服用することになりますが、それと同時に実践する必要があるのは食事療法です。
食事療法では、食事全体のバランスが重要ですが、特に意識して摂らなければならないのは、カルシウムをはじめとするミネラル成分とビタミンDを多く含む食品です。
また、ビタミンKやタンパク質も骨粗鬆症の改善には必要不可欠な成分です。
反対に、カフェインや塩分、アルコール成分などはカルシウムの吸収を阻害しますので、できる限り避けなければなりません。
このような食事の注意は、ご自身1人で実践しようとするとなかなか大変ですが、骨粗鬆外来なら、栄養士や医師の指導を受けながら実践できます。

骨粗鬆症外来での治療が可能な症状・病気

骨粗鬆外来では、骨粗鬆の予防と骨粗鬆に伴う症状や病気の治療を受けられます。

骨折

骨粗鬆の発症後に多く見られるのは骨折で、脊椎圧迫骨折、上腕骨近位部骨折、手首の骨折、大腿骨近位部骨折などが特に多いといわれています。
骨粗鬆症を発症すると骨がもろく骨折しやすいばかりでなく、骨折の完治にも時間がかかりますので、骨折が見つかったら気長にじっくりと完治を目指すことが大切です。

関節リウマチ

関節リウマチは骨折に直接結びつく病気ではありませんが、骨粗鬆症の合併症として発症しやすいと考えられています。
関節リウマチは初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、症状が進行するにつれ、激しい痛みを伴う炎症が起こり、やがて関節が変形してしまうことがあります。
関節リウマチも加齢で発症しやすい病気ですので、関節に痛みがある場合には、骨粗鬆症の診断とともに関節リウマチの診断も受けてみると良いでしょう。
関節リウマチが悪化すると手術が必要になることもありますので、そうならないためには早めの受診が何よりも大切です。

骨粗鬆症外来での受診がおすすめの人

骨粗鬆症はある日突然症状が現れる病気ではなく、発症前には何らかの前兆ともいえるような症状が現れることがあります。
また、知らず知らずのうちに骨粗鬆症を発症してしまっている可能性もあるのです。
こちらでご紹介する症状は典型的な骨粗鬆症の症状ですので、心当たりがひとつでもあれば、骨粗鬆症外来での受診をおすすめします。

  • 歩きにくそうにしている、歩き方がおかしい
  • 脚が変形している(O脚、X脚)
  • 首が左右にいずれかに傾いている
  • 左右の脚の長さが極端に違う
  • 股関節や太ももを痛がる
  • 股関節の開きが極端に悪い

年齢を重ねると、若い頃よりも身長が低くなる方がいます。
この現象は決して気のせいではなく、年齢による骨量の減少や椎間板の水分の減少、関節のヒアルロン酸減少などが原因で、実際に身長が縮んでいるのです。
なお、短期間で3㎝以上縮んでいる場合では、すでに骨粗鬆症を発症しており、脊椎が骨折している可能性が考えられます。
また、腰が曲がる、背中や腰が痛い、転倒することが多くなってきたなどに心当たりがある場合でも、骨粗鬆症を疑う必要があるでしょう。
痛みは本当に辛いですが、転倒する回数が増えれば、その分骨折のリスクが高くなります。
骨粗鬆症で骨折を繰り返していると、やがて心身ともに疲弊してしまいますので、そうならないためにも、おかしいと感じたらすぐに骨粗鬆症外来を受診し、症状の悪化を食い止めておくことが重要です。

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